NASの電気代はどのくらい？
これからNASの導入を検討されている皆様、「NASは便利そうだけど、24時間つけっぱなしにするから電気代が気になる…」と感じていませんか？確かに、家電製品を常に稼働させるとなると、電気代は無視できないポイントです。しかし、結論から言うと、NASの電気代は、皆さんが想像するほど高いものではありません。今回は、NASの電気代がどのくらいかかるのか、具体的な消費電力と料金計算方法を用いて、分かりやすく解説します。
NASの電気代は意外と安かった
まず、一般的なNASの消費電力から見ていきましょう。NASの消費電力は、搭載しているHDDの台数やCPUの性能によって変わりますが、最近の家庭向けNASは非常に省エネです。例えば、私が実際に使っているQNAPの2ベイNAS「TS-233」を例に挙げます。公式情報によると、この機種の動作時の消費電力は約15.4W、HDDを休止させた状態の消費電力は約5.6Wです。
月額の電気代試算
これを、一般的な電気料金目安（1kWhあたり31円）で計算してみましょう。動作時（24時間稼働）の電気代。15.4W × 24時間 × 30日 ÷ 1000 × 31円 ＝ 約343円。アイドル時（24時間稼働）の電気代。5.6W × 24時間 × 30日 ÷ 1000 × 31円 ＝ 約125円。
いかがでしょうか。たったのこれくらいの金額で、毎月スマホやパソコンのデータバックアップを自動で行ってくれる上に、自分だけのプライベートクラウドを持つことができるのです。1日あたりに換算すると、数十円にしかなりません。NASは、常にデータにアクセスしているわけではないので、多くの場合、アイドル状態か、HDDを休止させている時間の方が圧倒的に長いです。そのため、実際の電気代はさらに安くなることが多いです。
ハードディスク（HDD）の消費電力も考慮しよう
NAS本体の消費電力に加えて、NASの心臓部であるハードディスク（HDD）の消費電力も無視できません。HDDの消費電力は、容量や種類によって異なりますが、一般的なNAS用のHDD（3.5インチ）は、1台あたり5W～10W程度です。先ほどのNAS本体の消費電力に、HDD2台分の消費電力を加えて計算すると、もう少し現実的な数字が見えてきます。NAS本体（15.4W） ＋ HDD2台（7W × 2台＝14W） ＝ 合計29.4W。この数字を使って、改めて計算してみましょう。
HDDを含めた月額の電気代
動作時（24時間稼働）の電気代。29.4W × 24時間 × 30日 ÷ 1000 × 31円 ＝ 約657円。HDDの消費電力を含めても、1ヶ月で1,000円以下に収まることが分かります。これは、毎日ペットボトルのお茶を一本買うのと同じくらいの金額です。この金額で、大切な写真や動画を安全に保管できることを考えると、決して高い出費ではないことが分かります。
電気代をさらに節約するための設定
NASには、電気代をさらに抑えるための便利な機能が備わっています。これらの機能をうまく活用すれば、NASの電気代を最小限に抑えながら、必要な時だけ稼働させることができます。
- HDDのスタンバイモード：アクセスがない時間が続くと、HDDの回転を停止させる機能です。これにより、消費電力を大幅に抑えることができます。
- スケジュール機能：毎日決まった時間にNASの電源をオン・オフすることができます。例えば、深夜から早朝にかけての利用が少ない時間帯は、NASの電源を自動で切るように設定すれば、より電気代を節約できます。
- LEDインジケーターの輝度調整：NAS本体のLEDランプの光を抑える設定や、消灯する設定も可能です。
クラウドサービスとNASのコスト比較
ここで、クラウドサービスとNASのコストを比較してみましょう。例えば、動画や写真で2TBのデータを保存する場合を考えます。クラウドサービスA：2TBの利用料金は、月額約1,300円です。NAS：本体が3万円、4TBのNAS用HDDが1台1万円として、2台購入すると合計5万円です。この場合、NASの初期費用5万円を、クラウドサービスの月額料金1,300円で割ると、約38ヶ月（3年2ヶ月）で元が取れる計算になります。
まとめ：NASは安くて安心なデータ保存方法
今回はNASの電気代に焦点を当てて解説しました。結論として、NASの電気代は、皆さんが想像するほど高くはないということがお分かりいただけたかと思います。ご家庭でNASを導入する場合、月に数百円程度の電気代で、以下のようなメリットがあります。
- データの安全性が高い：自分の管理下にあるため、安心感が違います。
- 長期的なコストが安い：初期費用はかかりますが、数年単位で見れば安くなります。
- スマホの容量不足から解放：手間のかかるバックアップを自動で行ってくれます。
NASは、デジタルデータを安全に、そして手間なく管理できる手段です。電気代を心配して導入をためらっている方は、ぜひこの機会にNASの利用を検討してみてください。
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