UGREEN製NASとSynology製NASの徹底比較 | コスパから機能も

NAS

今回は、Synology製のNASとUGREEN製のNASを徹底比較します。

コスパ

エントリーモデル

エントリーモデルとして、以下の2製品を比較します。結論としては、動画のストリーミング再生をする予定であればUGREEN一択です。

単なるファイルサーバとして利用する予定で、使い勝手やエコシステムを重視する方はSynologyをおすすめです。

  • Synology DiskStation DS223j(2ベイNAS)
  • UGREEN NASync DH2300(2ベイNAS)

各製品の比較表をこちらに示します。

項目 Synology DS223j UGREEN NASync DH2300
メーカー Synology UGREEN
ベイ数 2ベイ 2ベイ
想定価格帯(本体のみ) 約 3 万円前後 約 2.6〜3 万円前後
CPU Realtek RTD1619B(4 コア / 1.7 GHz / 64bit) Rockchip RK3576(8 コア / 64bit)
メモリ容量 1 GB DDR4(増設不可) 4 GB LPDDR4X(増設不可)
ネットワーク 1 GbE × 1 ポート 1 GbE × 1 ポート
USB ポート USB 3.x × 1 など(背面中心) 前面 USB-C 3.x × 1、背面 USB-A 3.x × 2 など
HDMI 出力 なし あり(4K 対応、TV などに直接接続可能)
対応用途のイメージ バックアップ、写真・動画保管、ホーム/小規模オフィス向け メディアサーバ、実験用、バックアップ、映像出力用途など
OS DiskStation Manager (DSM) UGOS / UGOS Pro

上記の表から分かるように、価格としてはSynology DiskStation DS223j とUGREEN NASync DH2300はほぼ同じ価格帯になっております。

性能面では、UGREEN NASync DH2300の方が、メモリ容量やCPU性能が圧勝しているという形になっています。

基本的なファイルサーバとして利用する分には、おそらくどちらも読み出し・書き込みの速度に大きな差は出ないでしょう。一方で、動画データのストリーミング用途では、明確にSynologyのNASが不向きです。CPUの性能が明確にSynologyがUGREENに負けている形になっています。

ただ、いずれもエントリーモデルであることに変わりはないので、ある程度メディア再生はできるものの、動画の同時ストリーミング再生などはどちらも厳しいでしょう。

ミドルモデル

ミドルモデルとして、以下の2製品を比較します。

  • Synology DS224+
  • UGREEN NASync DXP2800

各製品の比較表をこちらに示します。

項目 Synology DS224+ UGREEN NASync DXP2800
メーカー Synology UGREEN
ベイ数 2ベイ 2ベイ
想定価格帯(本体のみ) 約 5.0〜5.7 万円前後 約 4.4〜4.6 万円前後
CPU Intel Celeron J4125(4 コア / 2.0 GHz ベース, 最大 2.7 GHz / 64bit) Intel N100(4 コア / 4 スレッド / 第 12 世代省電力 CPU)
メモリ容量 2 GB DDR4(SO-DIMM / 最大 6 GB まで増設可) 8 GB DDR5 SO-DIMM(1 スロット / 最大 16 GB)
ネットワーク 1 GbE × 2 ポート 2.5 GbE × 1 ポート
USB ポート USB 3.2 Gen1 × 2 前面 USB-C 3.2 Gen2 × 1、背面 USB-A 3.2 Gen2 × 1、USB-A 3.2 Gen1 × 1、USB 2.0 × 2
HDMI 出力 なし あり(4K 対応 HDMI)
対応用途のイメージ バックアップ、写真・動画保管、Plex / Docker を含むホーム〜SOHO向けオールラウンダー 高速ファイル共有、4K HDMI メディアプレーヤー、複数コンテナややや重めの処理も視野に入るミドルクラス機
OS DiskStation Manager (DSM) UGOS Pro

上記の表から分かるように、ミドルモデル帯では価格と性能の差がより顕著になっています。UGREEN NASync DXP2800の方が安価でありながら、スペック面ではSynology DS224+を大きく突き放しています。

特にCPU性能の差は大きく、SynologyのCeleron J4125に対して、UGREENは最新のミニPCなどでも採用されるIntel N100を搭載しており、処理能力に大きな開きがあります。メモリもSynologyが2GB(DDR4)であるのに対し、UGREENは8GB(DDR5)と4倍の容量を標準搭載しています。
Dockerを使って様々なアプリを動かしたり、将来的に長く使ったりすることを考えると、ハードウェア性能ではUGREENが圧倒的に有利です。

ネットワーク周りでも、UGREENは2.5GbEを標準搭載しており、高速なデータ転送が可能です。Synologyは1GbE×2ポートによるリンクアグリゲーションが可能ですが、単一ポートでの速度は1Gbpsが上限となります。

上位モデル

上位モデルとして、4ベイタイプの以下の2製品を比較します。

  • Synology DiskStation DS923+
  • UGREEN NASync DXP4800 Plus

各製品の比較表をこちらに示します。

項目 Synology DS923+ UGREEN NASync DXP4800 Plus
メーカー Synology UGREEN
ベイ数 4ベイ 4ベイ(+ M.2 SSD スロット 2基)
想定価格帯(本体のみ) 約 10 万円前後 約 8〜10.5 万円前後
CPU AMD Ryzen R1600 デュアルコア(4 スレッド / 2.6GHz〜最大 3.1GHz) Intel Pentium Gold 8505(5 コア / 6 スレッド / 第12世代)
メモリ容量 4 GB DDR4 ECC SO-DIMM(最大 32 GB まで増設可) 8 GB DDR5(SO-DIMM / 最大 32 GB クラスまで増設可とされる構成)
ネットワーク 1 GbE × 2 ポート(Link Aggregation 対応) 10 GbE × 1 ポート + 2.5 GbE × 1 ポート
USB ポート USB 3.2 Gen1 × 2(背面)+ eSATA × 1 前面 USB-C 10Gbps × 1、背面 USB-A 10Gbps × 1 + USB-A / USB2.0 など複数ポート
HDMI 出力 なし あり(4K 対応 HDMI 出力)
ドライブベイ/拡張 3.5 / 2.5 インチ SATA ドライブ 4台、M.2 NVMe SSD スロット 2基、拡張ユニット DX517 により最大 9ベイ構成も可 3.5 / 2.5 インチ SATA ドライブ 4台、M.2 NVMe SSD スロット 2基、最大 136 TB クラスの構成に対応
対応用途のイメージ 中〜上級者向けの本格 NAS。バックアップ、ファイルサーバ、写真・動画保管、Plex、Docker、監視カメラ、軽めの仮想環境などオールラウンド 高速ファイルサーバ兼メディアサーバ。10GbE+2.5GbE による高速転送、4K HDMI での直接再生、複数コンテナや重めの処理も視野に入る上位機
OS DiskStation Manager (DSM) UGOS Pro

上位モデルの比較でも、やはりUGREENのハードウェアスペックの高さが際立ちます。
最大の違いはネットワーク速度で、UGREEN NASync DXP4800 Plusは10GbEポートを標準搭載しており、高速なデータ転送環境を構築できます。

対するSynology DS923+は標準では1GbEにとどまり、10GbEを利用するには専用のアップグレードモジュール(E10G22-T1-Miniなど)を別途購入・装着する必要があります。

CPU性能に関しても、UGREENが搭載するPentium Gold 8505は第12世代Intel Coreプロセッサの技術(Pコア・Eコア構成)を採用しており、SynologyのRyzen R1600(組み込み向けデュアルコア)と比較して、動画変換や複数タスクの同時処理能力で大きく上回ります。

ただし、Synology DS923+は「ECCメモリ」を採用してデータの信頼性を高めている点や、専用拡張ユニット(DX517)でベイ数を簡単に増やせる点など、業務利用を意識した堅実な設計が魅力です。

機能

次に、それぞれのNASに搭載されるOSである「DiskStation Manager (DSM)」と「UGOS (Pro)」の機能面について比較します。機能面では、Synology の DiskStation の方が優位です。

項目 UGOS / UGOS Pro(UGREEN) DiskStation Manager(DSM, Synology)
UI / 操作性 シンプルで軽め。DSM に似たデスクトップ風 UI 洗練されたデスクトップ風 UI。日本語情報も豊富
ファイル共有 SMB / NFS / FTP など基本は一通り対応 同様に対応+Synology Drive など連携ツールが充実
バックアップ PC/クラウドへのバックアップ機能あり。機能は必要最低限 Hyper Backup / Active Backup などスイートが強力で細かい設定も可能
クラウド連携 主要クラウドとの同期に対応だが、種類は少ない Synology C2 や各種クラウドと広く連携
マルチメディア 写真・動画・音楽アプリあり。HDMI 付き機種はプレーヤーにも Photos / Video / Audio Station が成熟。TV・DLNA 連携も強い
リモートアクセス UGREENlink で手軽に外部アクセス QuickConnect や VPN など多様な方法を用意
モバイル / TV アプリ iOS / Android 向け公式アプリあり。種類は限られる Drive / Photos / DS 系など多数の公式アプリ+TV 向けも充実
セキュリティ 権限管理や暗号化など基本機能はあり。高度な機能は少なめ ボリューム暗号化、WORM、詳細権限、MFA などエンタープライズ寄りに豊富
アプリ・エコシステム 公式アプリは少なめ。拡張は Docker 依存が中心 公式パッケージ+サードパーティが非常に多い

信頼性

次に、それぞれのNASの信頼性について比較してみます。

Synologyは、NAS市場で20年以上の実績を持つ老舗メーカーであり、その信頼性はUGREENとは比較できないレベルの高さです。また、長期間のセキュリティアップデートが保証されています。

一方、UGREENはNAS市場にここ数年で参入したばかりのため、まだまだ長期的な信頼性を評価することができません。搭載OSであるUGOS Proも、まだ発展途上であり、細かなバグなどは残っています。とはいえ、世界中で展開しているサービスのため、通常の利用の中で致命的な欠陥はありません。

スマホ連携

次に、それぞれのNASのスマホ連携について比較してみます。

Synologyは、「Synology Photos(写真)」「Synology Drive(ファイル管理)」「DS Audio(音楽)」など、用途ごとに専用のアプリが用意されています。アプリが分かれているのが面倒に感じるかもしれませんが、それぞれのアプリが非常に高機能で作り込まれており、GoogleフォトやGoogleドライブの代替として十分に実用レベルです。特に「Synology Photos」は、顔認識や撮影地ごとの自動整理機能が優秀です。

UGREENは、基本的に1つのアプリですべての機能を管理できます。1つのアプリで全てが完結する点は、初心者にとって非常に分かりやすく、迷うことがありません。ただし、Synologyの専用アプリほど細かい設定や高度な機能はまだ実装されていない部分もありますが、ほとんどの人にとっては問題とはならないでしょう。

UIの使いやすさ

SynologyのOSである「DiskStation Manager (DSM)」は、ブラウザ上でWindowsやMacのようなデスクトップ画面を操作できる非常に洗練かつ使いやすいUIを搭載しています。これまでの歴史の中で長年開発されてきたこともあり、完成度は非常に高く、直感的に操作できるため、初心者から上級者までストレスなく利用できます。

一方、UGREENの「UGOS Pro」も、よりモダンでシンプルなUIを採用しています。特にスマホアプリの出来が良く、PCを開かなくても多くの設定やファイル操作が可能です。ただし、OSとしての歴史が浅いため、細かな設定項目やアプリの充実度、日本語の自然さなどでは、Synologyの方が優位です。

設定しやすさ

初期設定に関しては、どちらのメーカーも非常に簡単に行えるよう工夫されています。

Synologyは、ブラウザから「find.synology.com」にアクセスするだけでネットワーク内のNASを検出し、簡単にセットアップが完了します。また、「QuickConnect」という機能を使えば、ルーターのポート開放などの難しいネットワーク設定を一切せずに、外出先から簡単に自宅のNASにアクセスできるようになります。

利用者が非常に多いため、トラブルが起きてもネットで検索すればすぐに解決策が見つかります。

一方、UGREENは、スマホアプリ中心のセットアップ設計になっており、製品のQRコードを読み込むだけでペアリングが完了するなど、非常に手軽です。また、外部アクセス機能も標準で備わっていますが、発売から間もないため、トラブルシューティングの情報量が少し少ないのが残念な点です。

対応HDD

NAS選びで意外と重要なのが、HDD(ハードディスク)の互換性です。

Synologyは、システムの安定性を担保するために、自社純正HDDの使用を強く推奨する傾向にあります。特にビジネス向けの上位モデルでは、純正以外のHDDを使用すると警告が出たり、一部機能が制限されたりすることがあります。

家庭用モデル(jシリーズやPlusシリーズ)では市販のHDD(Western DigitalやSeagateのNAS用HDDなど)も問題なく使えることがほとんどですが、公式の互換性リストに載っていないHDDの使用はサポート対象外となる場合があるため注意が必要です。

対してUGREENは、現状ではHDDのベンダーロック(純正縛り)のような制限は特に見られません。一般的な3.5インチSATA HDDやM.2 SSDであれば、メーカーを問わず柔軟に利用できます。手持ちの余っているHDDを流用したい場合や、安価なHDDで大容量環境を構築したい場合は、UGREENの方が柔軟に利用できます。

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