子供の思い出の写真や動画に外付けHDDは絶対NG。おすすめしない理由を解説

今回は、子供の思い出の写真や動画の保存先として外付けHDDを利用してはいけない理由をわかりやすく解説します。

結論から言うと、子供の成長記録のような「二度と撮り直せないデータ」の唯一の保存先として外付けHDDを選ぶのは、極めてリスクが高いです。

データ消失リスク

外付けHDDは永久に使えるものではなく、非常に壊れやすく、寿命があるものです。

そのため、重要なデータの長期保管には複数のHDDに分散してデータを保存するRAIDのような専門的な知識が必要で、一般的にはデータの長期保存には不向きとされています。

HDDの寿命は平均3年〜5年

一般的に、HDDの寿命は平均して3年から5年程度と言われています。もちろん10年以上使える場合もありますが、購入して1年足らずで突然壊れることも珍しくありません。「ずっと棚にしまっておいたから大丈夫」と思っても、久しぶりに通電した瞬間に起動しない、というケースも多々あります。

また、複数回データの消去や書き込み、読み込みを利用している場合は、それだけで故障リスクが増加します。

予測不能な5つの故障要因

HDDが故障する原因は様々ですが、主に以下のような要因があります。

1. 物理的衝撃

HDDは、そもそもの内部構造が非常に振動や衝撃に弱い作りとなっています。具体的には、高速で回転する円盤に、読み込むためのヘッドをナノメートル単位で近づけてデータを読み書きしています。そのため、動作中に少し動かしたり、誤って倒したりするだけで、物理的にデータを読み込みできない領域が生まれてしまうことも少なくありません。

特に小さなお子様がいる家庭では、子供がケーブルに足を引っ掛けてHDDを落下させる事故が後を絶ちません。また、日本は災害大国であり、残念ながら数年〜十数年に一度は大規模な地震が発生しており、そのタイミングで大切なデータが消失してしまう可能性もあります。

2. 熱による劣化

HDDは熱に弱く、高温状態が続くと部品の劣化が早まります。夏場の閉め切った部屋や、放熱の悪い場所に置いているだけで寿命を縮める原因になります。

特に夏場は湿気も高く、エアコンの効いていない部屋や収納にしまっておくとそれだけで急速に寿命を縮めることになります。

3. 雷

落雷などでコンセントから異常な電流(サージ)が流れると、HDDの電子基板が一瞬でショートしてしまうことがあります。

HDDそのものが壊れることはあまり多くありませんが、HDDへのアクセスに必要な基盤そのものが焼き切れてしまうことがあり、そうなるとデータの救出には専門の業者を利用するしかなくなってしまいます。

4. 経年劣化

使っていなくても、内部の潤滑油が固着したり、モーターの軸受けが摩耗したりすることで、ある日突然「カチカチ」という異音とともに動かなくなります。

5. 論理的な障害

「ハードウェアの安全な取り外し」を行わずにケーブルを抜いたり、書き込み中にパソコンがフリーズしたりすることで、ファイルシステムが破損し、データが読み出せなくなることがあります。特にWindowsだけでなく、スマホやMacなどさまざまな機種から同じHDDを利用する場合は、論理的な障害が発生する可能性が高くなります。

データ復旧の代償は高すぎる

もしHDDが故障してしまい、どうしても中の写真を取り出したい場合、専門の「データ復旧業者」に依頼することになりますが、その費用は想像を絶するほど高額です。

故障の状況にもよりますが、「数千円のHDD」に入れたデータを救出するために「数十万円」の費用がかかるのです。しかも、高いお金を払っても100%復旧できる保証はありません。

おすすめは「クラウドストレージ」への自動保存

子供の写真や動画を守る最適解は、HDDではなく「クラウドストレージ」を利用することです。

クラウドストレージのメリット

  1. データ消失リスクがほぼゼロ
    Google DriveやpCloudなどの大手クラウドサービスは、データを複数のサーバーに分散して保存しています。自宅が火事になっても、地震でPCが壊れても、クラウド上のデータは無傷です。
  2. 全自動バックアップ
    スマホにアプリを入れておけば、撮影した写真や動画を自動でクラウドにアップロードしてくれます。「バックアップ忘れ」という人為的ミスを根絶できます。
  3. いつでもどこでも見返せる
    スマホ、タブレット、PC、実家のテレビなど、あらゆるデバイスからアクセスできます。「あの時の動画が見たい」と思ったその瞬間に、家族みんなで思い出を共有できます。

おすすめは「pCloud」などの買い切り型

Google PhotosやiCloudも便利ですが、容量が増えると毎月の課金(サブスク)が発生し続けます。長く大量の動画を保存したい場合は、一度払えば一生使える「買い切り型」のプランがあるpCloudなどがコストパフォーマンスに優れています。

また、どうしてもHDDを使いたい場合は、「3-2-1ルール」(データは3つ持ち、2種類のメディアに保存し、1つは別の場所に置く)を徹底し、クラウドと併用する場合に限って利用することをおすすめします。HDD単体での保存は、思い出をロシアンルーレットにかけるようなものです。

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