今回は、MacとWindowsの両方のPCを使っているユーザーに向けて、両方のOSで快適に利用できる便利なクラウドストレージサービスを3つ紹介します。
MacとWindowsの両方で使う上で重要な3つの観点
1. 機能差異がない(Finder/エクスプローラー統合)
最も重要なのは、Macの「Finder」とWindowsの「エクスプローラー」のどちらでも、同じ使い勝手で操作できることです。
専用アプリを立ち上げるのではなく、普段使っているフォルダと同じ感覚でファイルをドラッグ&ドロップでき、自動で同期される機能(仮想ドライブ機能など)の完成度が重要になります。
2. ファイル名の互換性と同期精度
MacとWindowsでは、ファイルシステムの違いにより「使える文字」や「パスの長さ」の制限が異なります。例えば、Macでは使える記号がWindowsでは禁止文字( \ / : * ? ” < > | )になっていることがあります。
多くのクラウドストレージは、こうしたOS間の差異を自動で吸収し、トラブルを防いでくれます。
3. コスパと大容量
両方のOSでデータを扱うということは、写真、動画、書類など、あらゆるデータをクラウド上で管理することになります。そのため、容量不足に悩まされない「大容量プラン」のコスパが重要な選定基準です。
1. pCloud
MacとWindowsの二刀流のユーザーに最もおすすめなのが、スイス発の「pCloud」です。
仮想ドライブの完成度が高い
pCloudは、「pCloud Drive」という仮想ドライブ機能を提供しています。これをインストールすると、MacでもWindowsでも、まるで外付けHDDを繋いでいるかのように新しいドライブ(Pドライブなど)が追加されます。
このドライブ内のファイルは、PCの空き容量(ローカルディスク)を消費しません。実際のデータはクラウド上にあり、使う時だけ読み込まれるため、ディスク容量の少ないMacBook Airなどでも数TBのデータを扱えるのが最大のメリットです。
さらに、M1/M2/M3/M4/M5チップ搭載のMacにもネイティブ対応しており、動作が非常に軽快です。右クリックメニューも両OSで統一されており、「リンクの共有」や「オフラインアクセス設定」が同じ感覚で行えます。
唯一の「買い切り型」でコスパ最強
pCloudには、月額版だけでなく、一度支払えば一生使える「買い切り(ライフタイム)プラン」があります。MacとWindowsを買い替えても、ストレージはずっと使い続けられるため、長期的なコストを劇的に抑えられます。
2. Dropbox
クラウドストレージの老舗であり、同期の安定性とスピードに関しては非常に評価が高いです。
圧倒的な同期スピードと安定性
Dropboxの最大の特徴は「ブロックレベル同期」機能です。この機能は、ファイルを更新した際、ファイル全体ではなく「変更があった部分だけ」を転送するため、同期が非常に高速です。
また、「LAN同期(LAN Sync)」機能も優秀です。同じWi-Fi内にあるMacとWindowsであれば、インターネット回線を経由せず、ローカルネットワーク内で直接データを転送し合うため、巨大なファイルでも一瞬で同期が完了します。
のため、Macで編集したデータが、瞬時にWindows側にも反映されるため、リアルタイムに近い感覚で作業を行き来できます。
非常に使いやすいUI
MacのFinder統合、Windowsのエクスプローラー統合ともに非常に洗練されており、OSの違いを意識することなく使えます。ただし、最新のmacOSにおいてはOS側の仕様変更(File Provider API)により、外付けドライブへの同期フォルダ移動が制限されるなどの制約が生まれている点には注意が必要です。
3. Google ドライブ
Googleアカウントを持っていればすぐに使える手軽さと、Googleの各サービスとの連携が魅力です。
Google Workspaceとの強力な連携
スプレッドシートやドキュメントなど、Googleのオフィス系アプリを多用する人には最適です。MacやWindowsのブラウザ上で共同編集したファイルも、自動的にドライブに保存・同期されます。
パソコン版ドライブ
現在は「パソコン版ドライブ」というアプリにより、pCloudと同様に仮想ドライブとしてマウントすることで、普通の外付けHDDのように利用できます。
ただし、独自のキャッシュ管理を行うため、大量のファイルを扱うとキャッシュファイル(一時ファイル)がローカルディスクを圧迫し、PCの動作が重くなることがあります。特にMacではキャッシュの削除が手動では難しいケースもあるため、ディスク容量に余裕を持たせておく必要があります。
まとめ
- pCloud: Mac/Winの容量不足を解消したい人、買い切りでコストを抑えたい人に最適
- Dropbox: 多少コストがかかっても、同期スピードと仕事での安定性(LAN同期など)を最優先したい人向け。
- Google ドライブ: Googleのアプリを頻繁に使い、手軽に始めたい人におすすめ。
それぞれのサービスに特徴がありますが、MacとWindowsの両方で大量のデータをストレスなく扱いたいのであれば、PCの容量を消費せず、コストパフォーマンスにも優れた pCloud が最もバランスの良い選択肢と言えるでしょう。

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