「そろそろバックアップ容量が足りなくなってきた……そういえば、古いパソコンが余っているんだけれど、これを有効活用できないかな?」
今やクラウドストレージサービスが手軽に利用できるようになったものの、そんな風に考える方も決して珍しくはありません。技術的には実現可能ですし、ちょっとの工夫で節約もできて一石二鳥かもしれません。
ただし、古いパソコンなどを利用した外付けストレージには、やはり見過ごせないデメリットやリスクが伴います。今回はそういった点に注目しながら具体的なやり方について解説していきましょう。
そもそも「外付け」ってなに?
「外付け」とは、部品を製品に内臓させず、外側に置いたまま接続して使うやり方・状態を示す言葉です。例えば、タッチパッド付きのノートパソコンは、内臓のパッドを操作すれば指先でマウス操作ができます。しかしそれでは操作性が悪いため、あえて無線マウスを購入する人も多いでしょう。この場合、この無線マウスが「外付けデバイス」ということになります。
また、パソコンにおいて外付けすることが多いのが、ストレージ(HDD・SSD)です。単純に容量を拡張するためであったり、重要なデータのバックアップ用であったりと、細かな用途は様々です。最初から大容量のストレージを用意せず、段階を経て拡張していくという人もいます。
実際に外付けを検討する場合は、「外付けHDD」や「外付けSSD」と銘打たれた商品があるので、そちらを購入すると手間暇がかからず簡単です。
余っているパソコンのHDD・SSDを外付け化できる?
パソコンの中には通常、なんらかのHDD・SSDが搭載されています。使わなくなったパソコンからそれらを取り出して、外付け用のストレージとして再利用することはできるのでしょうか。
結論から言えば、実現可能です。ただし、注意したい点がいくつかあるので、作業の流れと共にチェックしておきましょう。
パソコンの中から内臓ストレージを取り出す
最初に、余っているパソコンのネジを外して、中からHDD・SSDを取り出しましょう。基本的に衝撃には弱い製品なので、うっかり落としたりしないように注意が必要です。
なお、製品によってはユーザーが自由に開けられるネジがなく、大変取り出しづらい可能性もあります。怪我や破損に注意してください。
内臓ストレージの状態・種類を確認する
取り出した内臓ストレージについてチェックします。種類(HDDか、SSDかなど)と共に、接続規格などを調べましょう。特定が難しい場合は型番などを手掛かりにしてみてください。現在(2026年3月時点)で流通している規格は「SATA」と「NVMe」の二種類が多いのですが、それぞれに互換性がなく、ケーブル類を専用品にしないとうまく接続することができないので、この確認作業は非常に重要です。
接続に必要なものを準備する
簡単に接続したい場合、「外付け用ケース」を準備するのが最も手軽でおすすめです。ただしケースには「1台のみ搭載可能」「複数搭載可能」「クレードルタイプ」「アダプタータイプ」などの違いがあるため、置き場所や使い方に応じて検討することが大切です。
また、1で調べた情報に基づいて適合する商品を選びましょう。規格に適合した製品では、物理的に繋いでも、論理的に接続することができません。
問題がなければ、パソコンと外付けケースを接続し、ケースにHDD・SSDをセットするだけで基本的な準備は完了です。外付けストレージとして活用できるでしょう。
外付け化のリスクやデメリット、注意点は?
うまくいけば眠っていた資産を有効利用できる外付け化ですが、いくつかのデメリット・リスクもある点にはくれぐれも注意しましょう。
破損や故障のリスクが常にあることを考慮する
うまく外付け化ができたとしても、データが破損するリスクが常にあることを考慮しましょう。HDDやSSDを取り出す時にも記した通り、衝撃に強くないという特徴があるので、特にむき出して設置している場合が危険です。
また、「HDDは一般的には3~5年程度で劣化する可能性が高い」、「SSDは書き込み回数に上限があり、一般的な用途では5年程度で限界が来る」と想定されています。古いパソコンの利用状況や保管状態によっては、外付け化はできたがすぐに壊れた、といった問題が発生しかねません。
そのため壊れたパソコンに外付けHDDなどを繋いで利用することで、コスパ良くデータを管理できるというのは実はなんとも言えないところがあります。単純にコスパ良くクラウドの利便性を享受しながらデータを利用することが目的であれば、買い切り型のクラウドストレージの利用もおすすめです。以下の記事では、おすすめの買い切り型のクラウドストレージについて解説しています。
発熱対策を重視しよう
HDD・SSDのもう一つの弱点として「熱」があります。製品の稼働中に少なからず熱が発生してしまうのですが、それが本体に悪影響をおよぼす可能性があり、この対策が欠かせません。具体的には熱によって「速度低下」「性能の劣化」「突然の故障」「寿命減少」などが考えられます。
外付けケースはそういった熱対策をしっかりしている製品もあります。放熱に優れたアルミシートを用いていたり、「ヒートシンク」や「熱パッド(サーマルパッド)」といった電子機器の熱を逃す冷却部品があったりするものを導入すると良いでしょう。
また、設置当時はそういった点を意識していても、時間の経過と共に、「外付けストレージの周りに物を置いてしまった」や「夏季など室温が上がる時期に冬季と同じように使用した」といった何気ない行動が、熱がこもって壊れる原因になりかねません。
「これは熱に弱いものだ」としっかり意識して、日ごろから注意しておくと安心です。
まとめ
古いパソコンの有効活用は魅力的ですが、実際に利用していく上では注意したいポイントが多い、ということをしっかりと理解しておきましょう。
また、そのリスクを考慮し、常時データを保存し続けるのではなく、データ移行用など一時的な用途に限定しておくのもおすすめです。「こちらのデータは外付けストレージ、こちらのデータはクラウドストレージ」といった具合に使い分けをすることで、いざトラブルになってしまった場合にも対策が立てやすく、快適なパソコンライフに繋がることでしょう。


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